カルシウムの働き

 

カルシウムの働きと骨粗鬆症について

 

カルシウムの働き

 

骨や歯を丈夫にする。カルシウムの重要な役割ですが、カルシウムの働きはそれだけではありません。

 

血液中や細胞内にも存在し、筋肉の収縮、心臓の機能、血液凝固、ホルモンの分泌などさまざまな生体反応に関わっているのです。

 

といっても、このような働きに関与するカルシウム量はごくわずかで、体内に存在するカルシウムの1%ほどと言われます。

 

その濃度は、副甲状腺ホルモンやカルシトニンというホルモンの働きによって常に一定になるように調節されています。

 

例えば血中のカルシウム濃度が低下したとき、副甲状腺ホルモンの分泌量が増えます。

 

そして骨に蓄積されているカルシウムを溶かし出す、消化管を刺激してカルシウムの吸収を高める、尿中に排泄されるカルシウムの量を減らすといった作用によって、血中のカルシウム濃度を上げる方向に働きます。

 

逆に血中カルシウム濃度が上昇すると、副甲状腺ホルモンの分泌量は減り、カルシトニンも骨からカルシウムが溶け出すのを抑えます。

 

このような見事な連携プレイのおかげで、血中カルシウム濃度が一定に保たれ、私たちは特に異常を感じることなく生活できるのです。

 

ところが血中カルシウム濃度が低い状態が続くと、骨から持ち出されるカルシウムの量が増え、骨のほうに支障が出ることになってしまいます。

 

 

カルシウムと骨粗鬆症について

 

女性の場合、一生のうちで、最大骨量を示すのは30代前後といわれます。

 

それ以降、女性ホルモンの減少とともに骨量は減少していきますが、最大骨量を上げておくことで、骨粗鬆症の発現を遅くしたり、症状を軽くしたりすることができます。

 

まだ先のこと、と思わずに、10代〜20代のうちに、カルシウムをがっちり貯金しておきましょう。中高年の方も、健康維持のため、適切な量のカルシウム摂取を忘れずにするようにしましょう。

 

 

日本人はカルシウムが足りないと言われ続けてきたせいか、とにかくカルシウムを摂らなくては、と思っている人は少なくありません。

 

もちろんカルシウムは、大切な栄養素です。特に若いうちにたくさん摂っておいていただきたいのですが、過剰摂取も注意が必要で、高カルシウム血症も心配です。マグネシウムとのバランスも考えましょう。

 

 

骨粗鬆症治療薬を服用されている方は注意が必要

 

骨粗鬆症治療薬を服用されている方に、「骨粗鬆症は骨がスカスカになる病気だから、カルシウムを補給して骨を丈夫にしよう」という人がいますが、服用中の薬剤によって答えは違ってきます。

 

活性型ビタミンD3製剤の場合は、血液中のカルシウムの濃度が上がりすぎてしまうおそれがあります。ビスホスフォネート系製剤の場合はカルシウムの補給が大切ですが、補給するタイミングの問題があります。

 

ご自分だけで判断せずに、必ず、医師や薬剤師に相談を。飲んでいる薬剤の種類や名前、カルシウムの性質なども知っておきましょう。

 

骨粗鬆症治療薬、作用の基本は二つ

 

骨は固くて変化しないように思われていますが、常に新しい骨が作られ(骨形成)、古くなった骨は壊され(骨吸収)…と活発に新陳代謝を行っています。

 

この骨形成と骨吸収がバランスよく行われていればいいのですが、骨吸収が骨形成を上回る状態が長く続くと、骨量は減少傾向に。やがて骨粗鬆症へとつながってしまいます。

 

骨粗鬆症の薬剤にはいくつかの種類がありますが、その考え方の基本は、骨形成を促進させるか、骨吸収を抑えるか、どちらかです。代表的な薬剤として、前者には活性型ビタミンD3製剤、後者にはビスホスフォネート系製剤があります。

 

 

活性型ビタミンD3製剤

 

「骨粗鬆症と言われたのに、ビタミン剤が出た」と不満気な声を聞くことがあります。ここで「ビタミン剤」といわれているのは、大抵が骨形成を促進させる「活性型ビタミンD3製剤」のこと。

 

この薬剤は、腸管からのカルシウム吸収を促進させるところから、消化吸収力が低下している高齢の方に使われることが多いようです。

 

カルシウムの吸収量が増えると血中のカルシウム濃度は保たれ、骨形成も活発に行われるようになります。骨折防止効果があるともいわれています。

 

しかし、この薬剤を飲んでいるときにカルシウム剤を併用したり、カルシウムを強化した食品をたくさん摂ったりすると、高カルシウム血症が引き起こされ、皮膚のかゆみ、食欲不振や吐き気、口の渇き、便秘といった症状を呈することがあります。

 

もちろん、通常の食事で摂る程度のカルシウムを制限する必要はまったくありません。注意していただきたいのは、カルシウムを含む医薬品やサプリメント、強化食品ですので、誤解の無いように。

 

もちろん、医師の指示のもと、カルシウムが併用されることもあります。そのときはきちんと服用することが大切です。

 

 

ビスホスフォネート系製剤

 

ビスホスフォネート系製剤は、骨のヒドロキシアパタイトに親和性があり、骨からカルシウムが溶け出すのを強力に抑えます。

 

効果の高い薬剤といわれます。しあしカルシウムが溶け出しにくくなるため、血中カルシウム濃度が低下して骨からカルシウムを補充してほしいときに、補充できない事態も考えられます。

 

そのため、この薬剤を服用しているときはカルシウムを十分に摂ること。すなわち、ビタミンD3製剤とはまったく異なる対応になるわけですが、気をつけたいことがあります。

 

ビスホスフォネート系製剤は、カルシウムやマグネシウムなどの金属とキレートを形成する性質があるため、一緒に摂ると、どちらも十分に吸収されなくなってしまうのです。

 

したがってカルシウムを補給する場合は、薬剤服用の前後30分は避けること(薬剤によって時間は異なりますので薬剤師に確認を)。「いつ補給するか」も大切なのです。


 

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