ニンニクのさまざまな効能

ニンニクがもつ健康増進作用

 

 

疲労回復

ニンニクの効能として最も定評のあるところです。エネルギー源となる糖とその糖を分解するビタミンB1が大量に含まれているうえ、アリシンがビタミンB1を活性化させます。

 

ビタミンB1は玄米の胚芽部分やシイタケなどに多く含まれていますが、熱で破壊されやすい性質があります。また私たち日本人は胚芽部分を削った白米を常食していますので、不足になりがちなビタミンです。ご飯やスナック菓子など、糖質を多くとる成長期の子どもは、特にビタミンB1を大量に必要とします。不足すると脚気になり、だるくなったり倦怠感が強くなったりします。

 

ニンニクのアリシンはビタミンB1と結びつくと活性持続型のアリアチミンに変わり、腸からの吸収率がアップします。スコルジニンという硫黄化合物もビタミンB1の働きを補強するといわれています。

 

ニンニクはエネルギー代謝をスムーズにし、疲労回復を助けます。

 

食欲・消化増進

スパイスとして利用すると、多くの人はニンニク特有のにおいで食欲が高まります。またアリシンは胃腸を刺激し、消化液の分泌を高めます。さらに食物のタンパク質と結びつき、消化しやすい形に変えます。ただし、生のまま大量に食べると胃腸の粘膜がただれることもあるので、過剰摂取は禁物です。

 

胃腸病のある人は、調理するかはちみつに漬けるなどの加工をして、少量ずつ食べるとよいでしょう。

 

増血作用

女性に多い鉄欠乏性貧血は、赤血球に含まれるヘモグロビンをつくる鉄分の不足によって起こります。ヘモグロビンはからだの各組織に酸素を運ぶ働きがありますので、不足するとからだは酸欠状態になります。鉄分を含む動物性食品や野菜などを適宜とるようにすればよいのですが、鉄分は吸収されにくく不足がちになりやすいのです。

 

 

ニンニクに多く含まれるビタミンCは、腸からの鉄分の吸収を高める作用があります。鉄欠乏性貧血には、鉄分を多く含むレバー料理が勧められていますが、ニンニクを一緒に食べるようにすれば、レバーのにおいがやわらぐと同時に、増血作用がいっそう高まります。

 

また低血圧に対しても、ニンニクは有効とされています。含有されているスコルジニンには、赤血球やヘモグロビンの量を増やす作用があります。自律神経の機能を高め、血圧を正常化させる作用もあり、朝の起床がつらいといった低血圧にありかちな症状の改善が期待できます。

 

スコルジニンは毛細血管を拡張して血行を高める働きもあり、冷え性にも有効といわれています。

 

 

 

ニンニクがもつ強力な殺菌力

 

食中毒の予防

夏になると病原性大腸菌O-157による食中毒が話題となります。サルモネラ菌やブドウ球菌などによる食中毒は、菌の数が10万〜100万個も体内に入らないと発病しませんが、O-157は100個以下でも発病するといわれ、感染しやすい特徴があります。 O-157は体内でベロ毒素を放出し、死に至ることもあるので特に用心が必要です。

 

ニンニクがO-157に対して有効だという実験結果が、最近になって報告されています。
O-157を培養したものに、ニンニクの粉末の1%溶液を入れると、菌がすべて死滅してしまったというのです。ニンニクを100℃で10分、20分と加熱して実験しても、その効力は変わりませんでした。

 

ニンニクの強力な殺菌作用は主にアリシンによるものとされてきましたが、ほかの成分との相乗作用による可能性が高いことがわかりました。

 

またコレラ菌、サルモネラ菌、ブドウ球菌、多くの抗生物質に抵抗性を示し、感染すると、治療が困難になることもあるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)といったものに対しても、毎日1片のニンニクを常食すると、感染に対する予防効果が期待できるのではという報告もあります。

細菌感染症予防

軽い症状の感染が持続的に続いている場合や、何度も繰り返して起こるような感染症、例えばのど、鼻、口腔などの慢性感染症に対しては、ニンニクが有効とされています。

 

ニンニクのアリシンには強い抗菌作用があるため、かぜや鼻の炎症を起こす菌を寄せつけにくくするのではないかと考えられています。

 

おろしニンニクを水で溶かし、うがいをすると、かぜなどの感染症にかかりにくいといわれています。鼻炎には脱脂綿をひたして鼻孔に入れると、症状が緩和する場合があります。

 

 

ニンニクの効能は民間療法でも幅広く活用されている

 

快眠

ニンニクに豊富に含まれているビタミンB1とカルシウムは、神経細胞の興奮を抑制し、眠りを深くする作用があります。就寝前に少量のニンニク酒を飲むと、アルコールとの相乗効果で、いっそう熟睡が期待できます。

 

便秘解消

便秘には大きく分けると精神的なストレスが原因となって起こる緊張性便秘と、運動不足や野菜などの繊維質の不足などで大腸の嬬動か緩慢になって起こる弛緩性便秘があります。ニンニクは弛緩性便秘に有効だといわれています。

 

ニンニクには多くの糖質が含まれており、主成分であるスコロドースは腸の善玉細菌であるビフィズス菌などを増やし、同時に善玉菌の増殖の際に発生する酸が腸管を刺激して、運動を活発にします。

 

またアリシンは、腸内の悪玉細菌の働きを抑制する作用があります。この相乗効果で腸の蠕動か高まり、便が排泄されやすくなるのです。

便秘解消には、便秘をきたしている疾患を鑑別することが大切です。
ニンニクの他にも様々な便秘解消方法があります。

 

更年期障害の緩和

閉経してまもない女性がニンニクを常食して、また月経が戻ったという報告があります。更年期特有の肩こりや動悸、のぼせ、手足の冷えなどの症状の改善例もあります。

 

アリシンの作用で全身の血行が改善され、ホルモンの分泌が促進されるからと考えられています。更年期に入る前から、ニンニクをよくとるようにすれば、更年期特有の症状が軽減できたり、ほとんど感じないですむこともあるといわれています。

 

水虫の治療

ニンニクの強い殺菌効果を利用して、ニンニクをすりつぶして直接患部に塗布します。刺激が強くて、ひりひりと痛むかもしれません。患部周辺の皮膚に塗布すると水痘ができる場合がありますが、あらかじめワセリンを塗っておくと防ぐことができます。

 

打撲や痛みなどに湿布薬として用いる場合は、牛乳にひたしたパン粉とおろしたニンニクを混ぜ、患部に塗布し、ガーゼで押さえる方法があります。

 

神経痛の緩和

ニンニクに含まれるビタミンB1は、興奮した神経を鎮める作用があります。坐骨神経痛、肋間神経痛、三叉神経痛、上腕神経痛などに対するニンニクの民間療法が広く普及している理由です。食べる、湿布をする、ニンニク灸をするといった方法があります。

 

神経痛はからだが冷えると悪化しがちですが、ニンニクはからだを温める作用もありますので、神経痛緩和に対し有利に働きます。

 

酔い覚まし

二日酔いに対し、現在でもヨーロッパのかなり広い地域で、ニンニクとタマネギの特製スープが用いられています。ニンニクのもつ温熱作用により循環器系の機能が活発になり、利尿作用、抗毒作用などが加わって、二目酔いの原因となるアセトアルデヒドがすみやかに排泄されたり、無毒化されるのではないかと考えられています。

 

 

ニンニクは古来から健康食や感染症などの薬として広く用いられてきました。その後、健康食として世界に定着し、今に伝えられています。薬としては西洋医学の発達に伴い、一時すたれてしまいましたが、民間療法として用いられて、命脈を保ってきました。最近、ニンニクの成分についての研究が進み、その驚くべき効能が科学的に次々と検証され、またスポットライトを浴びつつあります。

 

 

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