森林浴が健康によい!? さまざまな森林浴の効果と相乗作用

森林浴が健康によい!? さまざまな森林浴の効果と相乗作用

 

 

健康に及ぼす森林の好影響は、フィトンチッドだけでなく、ほかにもいくつかあげられます。

 

フィトンチッドの効果

 

転地効果

 

森林浴は近隣の森で行っても効果はありますが、ときには遠くに出かけることで、より効果が上がるといわれています。

 

一つには日常生活から離れることで、仕事や人間関係のストレスから解放されて気分転換を図れる効果があげられます。もう一つは住んでいるところと違う気象環境のなかにいることで、日常とは異なる生理的な刺激を受けられるという点です。

 

気象環境の変化は、からだのもっている気候への適応機能に働きかけます。急激な変化や、予測のつかない突発的な変化に出合うと気候への適応機能が追いつかなくなって、からだは不調を起こします。

 

適度であれば適応機能は刺激され活発化され、機能そのものもレベルアップするといわれています。

 

人間は外界から受ける刺激を視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の神経終末で受けとめ、中枢で分析判断して内臓や骨格・筋肉などの末梢器官に伝えて、刺激に見合った反応を起こし、環境に順応します。

 

この神経系のネットワークは、病気のときや疲れているときには、うまく機能しないことが知られています。当然、からだの不調を招く原因となります。

 

意図的に通常の生活環境と違う気象環境へ行くことは、神経系のネットワーク機能に刺激を与え、適度の刺激であればからだ全体の代謝は旺盛になり、疲れや不定愁訴が回復することはよくあります。

 

転地療法は、こうした目的で、昔は盛んに行われていました。平地の森林でもこの効果は期待できますが、日本の森林の多くは山岳地帯にあり、出かけていけば気温や気圧の変化による大きな刺激を受けることになります。

 

 

オアシス効果

 

都市ではアスファルトやビルが日射を吸収し、地表の輻射熱(ふくしゃねつ)は土の地面よりも高くなります。

 

これをヒートアイランド現象とよんでいます。そのため大気との温度差で強いビル風が吹くこともあります。

 

都市部では夏の夜になっても気温はなかなか下がりません。一方、森林は日射の80〜90%を吸収し、夜間には穏やかにその熱を放出するため、日中と夜の体感温度は厳しくありません。

 

森林の厳しい気象をやわらげる作用をオアシス効果といいます。

 

 

空気浄化効果

 

 

都市の大気は工場の煙突からの排気物や自動車などからの排ガスで汚染されています。

 

排ガスの化学物質は日光と反応して光化学オキシダントになります。いわゆる光化学スモッグの原因の一つではないかといわれています。

 

森林の樹木は主に葉の光合成で二酸化炭素を吸収し、酸素を放出しています。森の大気が清浄なのは、この作用によるものです。

 

大気浄化作用は森に30mほど入った付近から急激に大きくなるといわれています。

 

 

防音効果

 

森に深くわけ入ると、静寂も深まっていきます。木々の葉のこすれ合う音、風のとおる音も聞こえます。

 

葉の音や風の抜ける音はリズミカルで、都市の騒音と違って、私たちを疲れさせることはありません。

 

幅30m以上の森林の中では、外界の騒音が8分の1まで軽減されているという報告があります。

 

イオン効果

 

清浄な空気に含まれるイオンのバランスは、ほどよく保たれています。このバランスは、寒冷前線や低気圧が通過したときに一時的にプラスイオンが増加して崩れ、人体にも影響するといわれています。

 

このバランスの崩れが神経痛やぜんそく、脳卒中などの発生率が高まる要因だとする気象学者もいます。

 

さらに都会の排ガスもプラスイオンを増加させる要因の一つという説もあります。

 

人間が健康を維持していくには1立方メートル当たり、400〜1,000個のマイナスイオンが存在していなければならないといわれていますが、プラスとマイナスイオンのバランスがほどよくとれた森林の空気はこの条件を十分に満たしていることになります。

 

森の快適さは、こうしたさまざまな効果の相乗作用によって保たれているといえます。フィトンチッドもそのなかの大きな要素であることは確かです。

 

 

小児ぜんそくにも森林浴の効果

 

ぜんそくの原因は、主として自律神経機能の失調および副腎皮質ホルモンの分泌失調にあり、さらにダ二や排ガス、花粉、食品などのアレルギー因子が複雑にからみあって誘発されるといわれています。

 

住宅の冷暖房が普及したうえにサッシなどで密閉率がよくなった結果、小児ぜんそくは増えています。

 

都市部では排ガスにより大気の汚染が進んでいることもあり、症状はなかなか改善されません。

 

いまのところ決定的な治療法はなく、子どもの場合は薬剤の副作用が成長に影響するおそれもあるので、使用に当たってはなおさら慎重を要します。

 

青森地方のヒバの例のように、一部のフィトンチッドにはぜんそくの発作を鎮める効果があるとされています。森林のストレス緩和作用もぜんそく発作を抑えるといわれていますので、森林浴をぜひ試してみましょう。

 

 


 

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