大豆に含まれる栄養素

大豆に含まれる栄養素

 

ゴボウより豊富な大豆の食物繊維

 

ゴボウより豊富な大豆の食物繊維食物繊維は、健康食品やダイエット食品の代表的なものとして広く知られていますが、がんや生活習慣病の予防にも効果があるとして脚光を浴びるようになりました。

 

大豆には、食物繊維が豊富に含まれています。ゆでた大豆100g中には4.5g、納豆100gには2.3g、おから100g中に3.3gの食物繊維が含まれています。

 

食物繊維というとゴボウを思い浮かべがちですが、ゴボウの水煮100gで1.4gですから、大豆に含まれる食物繊維がいかに多いかがわかります。

 

 

食物繊維には水溶性と不溶性とがあり、大豆にはセルロースなどの不溶性の繊維が多く含まれています。これを粗繊維といいますが、粗繊維は体内で水分を吸収して膨らみ、便通をよくする働きをします。

 

便の中には発がん物質などの有害物質が排出されるので、粗繊維は大腸がんの予防に役立つと考えられています。

 

戦前の日本人は、大豆や海藻、野菜などを大量に摂取していましたが、食生活の変化に伴い、食物繊維の摂取量が大幅に減りました。

 

このことが、日本人に大腸がんが増えた大きな理由の一つだといわれています。

 

肉食を中心とした食生活では、脂肪を消化する胆汁酸の分泌が増加します。胆汁酸は腸内の細菌によって二次胆汁酸に変化しますが、これが発がんを促すと考えられています。

 

食物繊維は腸内の余剰な胆汁酸を減らすと同時に、ビフィズス菌など腸内の善玉菌の増殖を助ける働きをします。

 

アミノ酸価の高い大豆たんぱく

 

アミノ酸価の高い大豆たんぱく大豆100g中にはタンパク質が約35gも含まれています。けれども大豆が良質のタンパク質を供給する食物とされているのは、ただ単に量の問題だけではありません。

 

良質のタンパク質であるかどうかは、含まれているアミノ酸のバランスで決まってきます。(良質のタンパク質食品とは?

 

アミノ酸は20種類ほどありますが、その組み合わせによってさまざまなタンパク質がつくられます。多くのアミノ酸は体内でつくりだすことができますが、9種類ほどのアミノ酸は体内で合成できず、食品から摂取する必要があります。

 

この9種類のアミノ酸のことを必須アミノ酸とよんでいます。必須アミノ酸を理想に近いバランスで含んでいるかを表すアミノ酸スコアが100に近いほど、良質なタンパク質といえます。

 

関連:9種の必須アミノ酸と20種のアミノ酸

 

動物性のタンパク質は、必須アミノ酸をバランスよく含んでいて、アミノ酸スコアがほぼ100に近い数値を示しています。しかし、とりすぎるとコレステロールを増やしてしまう欠点があります。

 

反対に植物性のタンパク質は、コレステロールを増やさない代わりに、含まれているアミノ酸にばらつきがあります。そのなかで大豆はアミノ酸スコアが86を示すほど良質なタンパク質です。

 

一般に植物性タンパク質はからだの組織を修復したり、抗体やホルモンをつくるといった働きをもつリジンを少量しか含んでいませんが、大豆にはリジンも豊富です。

 

ただ、メチオニン、シスチンなど含硫アミノ酸とよばれるものが少ないのが大豆のタンパク質の欠点です。

 

ところがこの欠点を補っているのがご飯と納豆、ご飯とみそ汁のように、米と大豆を組み合わせた伝統的な日本の献立です。

 

米には、大豆とは反対に含硫アミノ酸が多く含まれ、リジンが少ないため、お互いにないものを補い合ったこの献立は、あまり肉類を食べなかった日本人が考えだした良質なタンパク質の摂取法であり、今でも上手な栄養のとり方といえます。

 

納豆の栄養・効果効能

米の豊富な栄養成分

 

 

 

大豆に含まれるサポニン

 

抗酸化性に富んだ大豆サポニンサポニンの「サポ」とはラテン語でせっけんの意味です。大豆を煮たりすると泡が立つのは、このサポニンによるものです。

 

サポニンは配糖体とよばれる脂肪と糖が合わさったような物質と考えられています。現在5種類のサポニンが発見されていますが、大豆の種子に含まれるものは、えぐみ、渋味、苦味のもとになる成分です。

 

サポニンは、従来は赤血球を破壊したり甲状腺に異常を引き起こす有害な物質とされていました。

 

ところが、サポニンの成分が分析されるにつれ、体内の過酸化脂質の生成を抑制したり、分解する性質があることがわかってきました。

 

不飽和脂肪酸が酸化してできる過酸化脂質は、タンパク質と結合して、老化や動脈硬化、肥満、肝臓病などの生活習慣病、がんの原因になるリポフスチンになります。

 

大豆に多く含まれるリノール酸も不飽和脂肪酸ですが、サポニンがリノール酸の酸化を防いてくれます。

 

また、大豆に含まれるサポニンは、水溶性で熱に対して安定性があり、抗酸化剤として食品にも用いられています。

 

大豆ががん予防食品として注目を浴びているのは、この強力な抗酸化性にもよるのです。

 

また、サポニンがエイズウイルスの増殖を抑えるという報告もあります。

 

この仕組みについては、まだわかっていませんが、解明が進めばエイズの予防や治療に有効ではないかと期待されています。

 

 

 

認知症の予防に有効な大豆レシチン

 

認知症の予防に有効な大豆レシチンレシチンはリン脂質の一つで、卵の黄身に約10%含まれている成分です。魚の卵や牛乳のほか、植物では大豆などの豆類に多く含まれます。

 

卵の栄養・効果効能

 

リン脂質は人間の細胞膜を構成する物質で、からだにとってなくてはならないものです。

 

レシチンは水にも油にも溶け、強力な乳化作用があります。この乳化作用は血管に付着したコレステロールを溶かす働きをします。

 

コレステロールが血管に沈着してしまうと血管が狭くなり、血液の流れが悪くなって、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを誘発します。

 

大豆に含まれるレシチンは、生活習慣病の予防にも効果があるのです。

 

また最近、レシチンは脳の活性化に関係していることもわかってきました。脳は数百倍ものニューロン(神経細胞)からなりたっており、ニューロンとニューロンの間では神経伝達物質がすごい速さで行き来し、記憶や一瞬の判断などの働きをつかさどっています。

 

レシチンはこの神経伝達物質の一つであるアセチルコリンという物質をつくっているのです。

 

認知症の人の脳を検査した結果、このアセチルコリンが減少していることが判明しました。そこでレシチンを投与し、認知症の改善を図ったという報告もあります。

 

高齢社会が進行するに従って、高齢者特有の脳の病気も増えることが予想され、レシチンを豊富に含んだ大豆の効能に期待が寄せられています。

 

 

リノール酸とオレイン酸

 

リノール酸とオレイン酸大豆には100g中約20gの脂肪が含まれています。大豆の脂肪の特徴は、その80%がからだによいといわれる不飽和脂肪酸でできていることです。

 

脂肪を構成する脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、不飽和脂肪酸は血液中のコレステロール値を下げる働きをします。

 

この不飽和脂肪酸の代表的なものがリノール酸です。サフラワー油の80%には及ばないものの、大豆の脂肪酸の50%以上がリノール酸です。

 

リノール酸は肝臓に運はれて分解されるHDL(高比重リポたんはく)を増やし、血管に付着して動脈硬化を活発するLDL(低比重リポ蛋白)を滅らす働きをします。
ただ、リノール酸には酸化しやすいという欠点もあります。

 

脂質が酸化することによって老化を早めたり、がんや生活習慣病を引き起こす過酸化脂質に変化してしまうのですリノール酸が酸化しないようにするには、脂質が酸化するのを防ぐ性質をもっているビタミンEやサポニンを多く摂取する必要がありますが、大豆にはいずれもたっぷり含まれています。

 

酸化されにくいオレイン酸も22%ほど含んでいます。

 

 

 


 

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